加納晃ブログ

企業やメディアの真実隠しは国民の判断を誤らせます。これに無関心でいると日本は現在の欧米のように混乱の社会に突入します。善良なる国民であれば、もうこれ以上無関心を装うことはできません。

「百田尚樹の日本国憲法」を読んで

 昨日、「百田尚樹日本国憲法」、5月3日~6日まで無料公開と言う大盤振る舞いにあやかり有難く読ませていただきました。

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目次を見ると

目 次

 はじめに――日本を守るために 3

第一章 日本国憲法はおかしい

憲法は変えるのが、世界の常識 12
憲法は『聖書』ではない 14
文法の誤りすら直せない 17
成立時点で国際法違反 21
各国憲法の有事条項24
憲法のせいで救助に行けない!? 27
憲法が足を引っ張ったコロナ禍 29
緊急事態条項に反対する勢力 32
起きてほしくないことは起こらない・・・わけがない 33 朝日新聞憲法観 36
テレビによる洗脳 41
厳しいくせに、間抜けな改憲条項 44

第二章 第九条に殺される

矛盾と問題だらけの第九条 50
非武装中立ルクセンブルクの失敗 53
武装中立・スイスの戦略 17
徴兵制が廃止されない理由 60
軍隊を持たない国々 63
日本とよく似た国の末路 64
ソ連の対日工作活動 67
改憲を潰した共産主義者 69
平和憲法」というプロパガンダ 72
九条教の信者こそ前線に! 73
平和主義者は鍵をかけない!? 76
「人間の盾」作戦 79
コミック誌が防弾チョッキ!?
専守防衛が招く最悪の事態 86
敵基地攻撃は防衛である 87
イージス・アショアをめぐるゴタゴタ 91
デュープスに注意せよ 92
第九条を守りたいのは誰か 95
3項を加えよう 98

第三章 この国はどうやって守られてきたか

最初の国家危機 102
侵略者を撃退しても、評価せず 105
死刑廃止の裏で 106
最強国に狙われた日本 107
史上最大の艦隊が来ても、祈るだけ 110
鉄砲という抑止力 113
鎖国ができるくらい強かった ! 116
軍事大国からの転落と思考停止 118
高杉晋作が阻止した租借地 122
技術は国を救う 125

第四章 日本における「天皇」の存在

日本の国家元首は誰 ? 130
天皇は戦前から「象徴」だった 133
大御心と大御宝 137
日本史における天皇 139
女系天皇」容認派の狙い 143
日本に別王朝ができる 146
宮家という「血のスペア」 148
栄誉礼を受けられない天皇 152

第五章 憲法誕生時にしかけられた罠

どこの国の憲法 ? 156
世界に恥ずべきコピペ憲法 157
GHQの恫喝 161
八月革命説 163
憲法学者の変節 167
自著を焚書した憲法学者 172
愚民化政策 175
教職追放と日教組 177
今も残る、公職追放の影響 ? 179
社会党共産党も戦犯赦免に賛成した 182
戦争を知らない子供たち」ほど染まりやすい 184

終章 今こそ憲法改正を !

自民党憲法改正のために作られた政党 188
岸信介の覚悟 190
安倍晋三改憲できなかった理由 192
自民党議員に言いたいこと 197
日本国憲法が日本を滅ぼす 200
百田尚樹の第九条改正案 202

特別付録――え、こんなのも !? 各国憲法の前文 201

大切な事が随所に取り上げられています

 この本を読んでなるほどと思いました。50年前、学生時代に憲法前文を読んだ感じは、「立派な文章って言うのは、こんな変な言い回しをするのか・・・」でした。百田先生の仰る「文法の誤り」の一言で納得でき面白かったです。しかし、それすら直せないところが深い闇ですね。

文法の誤りすら直せない

日本国憲法の前文は次のように書かれています。

〈平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意 した。〉何か感じないでしょうか。そう、この一文は日本語がおかしい。一般的には「諸国民の 公正と信義を信頼」するものです。「公正と信義に信頼」はしません。

 日本国憲法の草案は戦後七年にわたり日本を占領したGHQによって英文で作られま した。それを短期間で翻訳したものだから、このようなおかしな日本語になったのです。 「2014年10月30日、衆議院議員で次世代の党最高顧問(当時。以下、肩書はその 当時のもの)の石原慎太郎氏は衆議院予算委員会で質問に立つと、安倍晋三首相に次の提案をしました。
この「公正と信義に信頼し」の「に」という助詞は、使い方として明らかに間違いですね。誰かに借金を頼まれたときに、「しようがない、わかった、あなたに信頼して金貸そう」と言いますか。あなたを信頼して金貸そうと。これは、一般の社会の中で、例えば口約束にしろ、証文を書くにしろ、あなたを信頼してと書きますけれども、あな たに信頼してということでは、これは、借金の義理に応じる主体の存在、あるいは 客体者の存在が非常に曖昧になると思いますね。(中略)総理も私も、日本男児とし て、あくまでも自主憲法の制定を念願しておりますけれども、その大願成就のため に、まずの一里塚として、せめてこの前文の冒頭の助詞の間違いを、「公正と信義に信頼して、」の間違った助詞の「に」、この「に」の一字だけでも変えていただきたい。変えようじゃないですか。(衆議院「会議録」)
言語学者の中には、助詞の「に」はそういう使い方をしても誤りとは言えないと言う人もいますが、きわめて例外的な使用法であり、少なくとも国の最高法規たる憲法の前文に 使う用法ではないでしょう。
個人的には「に」を「を」に変えるくらい、さっさとやればいいと思います。しかし、 日本国憲法を「聖書」のように崇める憲法学者立憲民主党日本共産党に所属する左派系の政治家など、「護憲派」と呼ばれる人たちは、それさえ許しません。彼らは、憲法は 一言一句変えてはならないと考えているからです。たとえ一字でも変えたという実績ができると、ほかの条文も変えやすくなると恐れているのかもしれません。
 前文の問題点は、助詞の間違いだけではありません。危険なことを宣言しています。なんと

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持 しようと決意した。

〈われらの安全と生存〉を〈諸国民〉にゆだねているのです。これは、日本の主権を認めていないことになります。
さらに、もう一つ問題があります。諸国民〉の部分です。この〈諸国〉とは、何を指しているのか。現代の感覚で「世界の国々」と考えるのは大きな間違いです。憲法が作成 された1946年当時、〈諸国〉と言えば、主に「白人国家を指しました。現在、国際連合の加盟国は193ヵ国ありますが、1940年代は日本やタイなど一部の国を除け ば、世界は白人国家とそれを宗主国とした元植民地ばかりでした。
以上のことを踏まえて前文を正しく言い換えると、次のようになります。「平和を愛する「白人様」の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと「決意した」
 この前文のひどさが伝わりましたか? 要するに「日本人の平和は白人様次第」と言っ ているのに等しいのです。では、白人様は平和を愛する人たちなのでしょうか。また、公正と信義を掲げて外交をしているのでしょうか。答えは「ノー」です。白人様はいつの時代も侵略や虐殺の歴史を繰り返してきたし、今も自国の利益だけを求めて外交をしています。世界はそれほど甘くありません。 私たちの生命と財産を守るためにも、そろそろこの前文を変えませんか?と言われる通り世界の人が読んで笑うんじゃないですかこの前文では・・・。

次に私が驚いたところがあります。それは、GHQのやったことが「ハーグ陸戦条約」に明らかに違反していたことです。

陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則
〈国ノ権力カ事実上占領者ノ手ニ移リタル ハ、占領者ハ、絶対的ノ支障ナキ 限、占領 地ノ現行法律ヲ尊重シテ、成ルヘク公共ノ秩序 及 生活ヲ回復確保スル為 施 シ得へキ一切 ノ手段ヲ尽スへシ。〉

 日本国憲法は戦後の占領期にアメリカから押しつけられ た憲法です。その時点でアメリカは国際法違反を犯しています。つまり日本国憲法は国際 法違反の憲法なのです。
一八九九年、日本を含む三二ヵ国は「ハーグ陸戦条約」を締結しました。正式名称は 「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」、オランダのハーグで行なわれた第一回万国平和会議で採択されました。ハーグ陸戦条約では交戦者の資格、捕虜や負傷者の扱い、戦闘時の禁止事項、降伏や休戦方法などを規定しています。そして、第四十三条では「占領地の法律の尊重」と題し、次のように謳っています(ふりがなは著者。旧漢字は現行のものに改めている。以下、引用文含め同じ)。
要するに、戦勝国は絶対的な理由がないかぎり、敗戦国の法律を尊重しなくてはならな いのです。では、終戦直後の日本に、法律を変えなければならない絶対的な理由はあった でしょうか。
日本人のほとんどが敗戦を受け入れ、規律を守り、GHQに対しても従順でした。にも かかわらず、GHQは日本の法律どころか、その上に位置する憲法を変えてしまいまし た。これは、完全にハーグ陸戦条約に違反しています。そして、この国際法に違反している事実に鑑みても、この憲法改憲する正当な理由があります。同じ敗戦国のドイツも、やはり日本と同じように占領軍によって憲法(ドイツ連邦共和 国基本法、別名・ボン基本法)を押しつけられました。しかし戦後、ドイツはこれを62回も改正しています。彼らはアメリカ・イギリス・フランスと何度も協議しながら、自分たちで新しい憲法を作成していきました。
 しかしドイツと日本では、同じ押しつけ憲法でも決定的な違いがあります。実は、ドイ ツは日本のように「戦力の放棄」を強制されることはなかったのです。それはなぜか?ドイツは占領軍と同じ「白人」だったからです。
 彼らはたがいに戦いましたが、有色人種の日本人とは違って同じキリスト教を信奉する「仲間」だったのです。その証拠に、アメリカにいた多くのドイツ系移民は戦争中もまったく迫害されていません。財産を没収され、収容所に送られた日系移民とは扱いがまるで違いました。
他方、ドイツは戦後、狡猾な手段を採っています。戦争やユダヤ人虐殺の責任を、すべてアドルフ・ヒトラーナチス国家社会主義ドイツ労働者党)に押しつけ、ドイツ国民は 被害者であるかのような姿勢を取りました。しかし、ヒトラーはクーデターではなく選挙で政権を獲得しています。つまり国民が選んだ政党であり、けっしてドイツ国民が被害者とは言えません。しかし、欧米諸国はその欺瞞を見て見ぬふりをしました。もしかした ら、ここにも仲間意識が働いたのかもしれません。結果として、ドイツの憲法日本国憲法と比べて真っ当なものになり、日本のように不戦や戦力の放棄を謳っていません。にもかかわらず、ドイツは62回も改正しているし、これからも必要なら改正していくでしょう。
憲法に修正すべき点を見つけたら改正するドイツと、アメリカに無理矢理押しつけられ た憲法をありがたがる日本では、戦後歩んできた道がまったく違います。国民性の違いと言ってしまえばそれまでですが、どちらがまともか、誰が見ても明らかでしょう。

今日はこれぐらいにして、次回に続きを書きます。