加納晃ブログ

企業やメディアの真実隠しは国民の判断を誤らせます。これに無関心でいると日本は現在の欧米のように混乱の社会に突入します。善良なる国民であれば、もうこれ以上無関心を装うことはできません。

韓国企業躍進の背景を知る!

最近、韓国企業の躍進振りは凄まじい。ソニーサムスンに大きく水をあけられ、彼方先をサムスンは走っている。何故、こんなに韓国企業が躍進し、日本企業が振るわないのかが不思議でならなかった。先日、韓国の世宗大学より日本研究二十年の楊喜勝教授が来日され奇しくもその講演を拝聴できた。その講演から韓国企業の躍進の理由を紹介してみたい。

 

1980年代、韓国においてもjapan as No.1に後れを取るなと日本企業を手本に経営や技術の研究が盛んであったと言う。しかし、1991年にバブルが崩壊し、1997IMF外為危機に遭った韓国では30もの大財閥企業の内14社が倒産、外国人投資家の株の買い占めによりグローバル化が求められ日本式経営から決別した。

 

韓国経済の特徴について教授は、供給的側面では大企業対中小企業、そして、需要側面では、高所得層と低所得層の構造と言う。つまりこれを瓢箪形の構造と評された。高所得層(企業経営者)と労働者(低所得階層)の対立で中間層がいないと言う。一方、日本は玉葱型で、高所得層(企業経営者)と労働者(低所得階層)の対立はほぼなく、厚い中間層で出来ている、それが玉葱だと言う、実に面白い表現である。

 

韓国企業は国のGNP52%を四大財閥、三星サムスン)、現代(ヒュンダイ)、SKKG社が支えており、いずれも一族の支配経営でこれを韓国では皇帝経営と呼ぶ。大企業と中小企業の格差拡大が加速化する一方で経営の民主化を求める労使紛争が増えており、1年のうちほぼ1ヶ月はデモを行い、11ヶ月働く事態と言う。本題のどうして日本企業が追い越されたかについてである、①日本は相変わらずハイクオリティーの製品に拘り、韓国企業は市場の求める簡単な機能の製品を安くマーケットに投入し世界の市場から指示を受けたことに尽きる。日本企業は蓄積された高度な技術に拘る、そして経営判断が遅い、一方韓国企業はスピーディな決断で製品化し国際競争に勝ったのだ。日本は品質主義で職人気質の技術に懲りグローバルなマーケットが求めているものとはほど遠い製品を出し続けたのである。完璧主義の職人技を求めるより安価に手に入るものを求めている市場を知らない日本、韓国企業は、製品はマイクロコンピューターでモジュール化された部品の組み立てで安く作り上げたのだ。②英語に対する語学熱は日本の比ではないと言う。英語を世界で生き抜く道具と捉え、お金がなくとも親は子供に英語学院や海外研修そして、海外留学に行かせると言う。アメリカへの留学生の数を見るとインド10万人、中国9万人、韓国7万人、日本2万人となっており、人口からみるとその割合は韓国学生のアメリカ留学は世界一なのだ。

 

日本は内需産業・国内企業に就職し食べていける国である故に、日本の学生達は英会話力の取得への必死さ!これも日本がグローバル化に遅れをとっている大きな理由となろう。