○子供叱るな来た道だもの、年寄り笑うな行く道だもの(こどもしかるな、きたみちだもの、としよりわらうないくみちだもの)。子供の過(あやま)ちを無闇の叱るものではなく、翁媼(おきな、おうな)の言葉を軽々しく笑うものではない。
○自分も子供の頃に同じ過ちをした筈だし、やがて年を取れば同じような言動をするようになるということ。
○後に「来た道行く道二人旅、これから通る今日の道、通り直しのできぬ道」と続く。作者は不詳。妙好人(=浄土宗の信徒の誰か)という。永六輔が著作『大往生』で、愛知県の犬山で見たビラの言葉を広めたという。
○児童虐待や高齢者虐待が取り上げられる中でこの諺には学ぶところが多い。人は社会の中にあって成長を遂げる。子供を授かり育てる中で子供の如き若い夫婦が大人に成長し、一人前となる。そして、年寄り笑うな行く道だものと今の現役世代に言ってやりたい。