加納晃ブログ

企業やメディアの真実隠しは国民の判断を誤らせます。これに無関心でいると日本は現在の欧米のように混乱の社会に突入します。善良なる国民であれば、もうこれ以上無関心を装うことはできません。

なおざりな公正証書遺言書の作成で実現されなかった高齢者の意思



 先ごろ亡くなったTさん(女性・72歳)は、名古屋市内の弁護士に依頼して

公正証書遺言書を作成していました。

 
 当初、Tさんは、自分が亡くなったら福祉団体に宅地と家屋を遺贈したいと

公正証書に記していたのです。生活扶助を受けることとなり途中で弁護士に遺言書から

不動産を外すことを依頼したのです。

真意は、本人は生前に不動産を売却して福祉団体に寄付をしたかったのです。


しかし、生活保護を受けており、売却するとお金ができてしまい保護を打ち切られてしまう。

それでは困るので亡くなった後に、不動産を福祉団体に遺贈したかったのです。

遺言書の作成段階で、本人の意思を尊重し適切なアドバイスをしていれば

意思の実現が図れたはずです。

 
 その結果、生前の意思であった福祉団体への寄付は遺言書から外れたままとなり、

法定相続人がいないTさんの所有の不動産は放置されることとなりました。

弁護士は預貯金の遺贈先に執行を行うのみで仕事を終えました。


Tさんの意思を尊重することなく、不動産が放置されてしまったのです。

 弁護士に、その点を指摘するとその弁護士は平然と「遺言執行には入っていないの

で」と冷たく言い放ちました。
 
 
 Tさん亡きあと、社会やまわりの人々に迷惑が掛からないようにすることや

本人の意思を実現できるように取り組むことが、専門家に求められている

のではないでしょうか。場当たり的な仕事をして高齢者の意思を軽んじる弁護士が

信頼できるでしょうか。