加納晃ブログ

企業やメディアの真実隠しは国民の判断を誤らせます。これに無関心でいると日本は現在の欧米のように混乱の社会に突入します。善良なる国民であれば、もうこれ以上無関心を装うことはできません。

金融機関の休眠口座問題に思うこと ・ ・ ・

新聞各紙によると「政府が、唐突に「休眠口座」の預金を、

東日本大震災の被災地企業の支援策などに使う検討に入った。」と報道しました。

つまり、国民が銀行や郵便局に10年以上放置した預貯金の総残高(年間)が

毎年800億~900億円発生しており、その一部を有効活用したいと言うのです。

普通預貯金口座や総合口座から最後にお金を出し入れした日や、

定期預金の最後の満期日から10年以上放置された預金のうち、

預金者と連絡が取れないものなどを金融機関では「休眠口座」に分類しています。

金額は公表していませんが、政府資料によると、07~09年度には毎年、

銀行は730億~770億円、信用金庫・信用組合労働金庫は計100億円強の休眠預金が発生し

農協やゆうちょ銀行も含めるとさらに増え総額900億円(毎年)が金融機関の保有する別算口座に移る。

政府はその活用法を国民の議論を受けて合意できるところで方向を決めればよいと思うのですが。



高齢者の多くは、在宅から施設や病院に移り、健康状態を崩して亡くなっていくケースが多い。

そして、その多くは自宅・マンションに銀行の休眠口座を持ち放置されている。

そのような現実を生み出している根源の一つは、施設の入居中や病院への入院中に

ご本人の預貯金がご本人の意思に遵って窓口で入出金ができないことが挙げられます。

本人でないと出金できませんと言うものです。最近では、ご本人がやっと窓口に行ける状態に

健康が戻ったにもかかわらず認知の症状が出ていると知ると

銀行窓口の行員さんは「出金できません」と言うそうです。

どうしても出金をしたいのでと親族が本人に代わって窓口に行くと

行員さんは「後見人さんを付けないと出金できません」と言うそうです。

後見人を付けることは、委任状を持っていくように簡単に整うものでないことは

知っているはずです。

つまり、金融機関が休眠口座のすそ野をせっせと広げているように思えます。

また、仮に高齢者が死亡していたとしても「銀行は相続人調査をして

その遺族に戻すべきではなかったのか?」と思うのです。

口座を開設する時には、住所、生年月日、身分証明書の提示を求め本人確認を怠りません。

ならば、その情報をもとに遺族に戻せるはずです。

金融機関の窓口に行くと顧客サービスとして案内係の方が親切に対応し窓口へ誘導してくれます。

しかし、本当のサービスは入院している高齢者のところを定期的に訪問して相談に

乗ることや休眠口座を現金化してご本人に届けるなど幅広い取り組みができるはずです。

それは、富裕層だけに行われているのであれば、顧客サービスと謳うのはマヤカシでは

無いのかと思ってしまいます。